富者乃言葉 言葉の風水学 開運コミュニケーションのすべて



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人生を豊かに変える《富者乃言葉》



富者乃言葉とは何でしょうか。
そもそも富者とはだれのことを指すのでしょうか。

あなたの財布の中に千円札があると思います。その肖像になっている世界的細菌学者、
野口英世(1876−1928)の母シカさんが、息子にあてた有名な手紙があります。


おまイの。しせ(出世)にわ。みなたまけ(皆驚き)ました。
わたしもよろこんでをりまする。
なかたのかんのんさま(中田の観音様)に。さまにねん(毎年)。
よこもり(夜篭り)を。いたしました。

べん京(勉強)なぼでも。きりがない。
いボし(烏帽子=地名)はわこまりをりますか(からお金の催促には困りますが)。
おまいか(お前が)。きたならば。もしわけかてきましよ(申しわけができましょう)。
はる(春)になるト。みなほかいド(北海道)に。いてしまいます。
わたしも。こころばそくありまする。
ドかはやく。きてくだされ。
かねを。もろた。こト(お金をもらったこと)たれにもきかせません。
それをきかせるト。みなのまれて(飲まれて)。しまいます。

はやくきてくたされ。はやくきてくたされ
はやくきてくたされ。はやくきてくたされ。

いしよのたのみ(一生の頼み)て。ありまする
にし(西)さむいてわ。おかみ(拝み)。ひかし(東)さむいてはおかみ。
しております。きた(北)さむいてわおかみおります。
みなみ(南)たむいてわおかんでおりまする。
っいたちにわ(一日には)しをたち(塩断ち)をしております。

ゐ小さま(僧侶の名)に。ついたちにわおかんて(拝んで)もろておりまする。
なにおわすれても。これわすれません。
さしん(写真)おみるト。いただいておりまする。
はやくきてくたされ。いっくるトおせて(いつ来ると教えて)くたされ。
これのへんちち(返事)まちてをりまする。
ねてもねむられません




ある日、アメリカで細菌研究を続ける野口英世のもとに手紙が届きます。
たどたどしい字で、練習をしながら書いたと思われる年老いた母からの手紙でした。

野口英世記念館(福島県)に母シカさんの現存する唯一の手紙として展示されています(画像はその一部)。

研究に追われ、15年もの長い間、野口は母のいる日本へ帰っていませんでした。

「はやくきてくたされ」

“早く帰ってきて下さい”
母からの手紙、これを読んだとき、息子は何を思ったでしょう。
ぼくは、富者乃言葉について考えるとき、この素晴らしい手紙をいつも思い浮かべます。

              *                  *

お札の肖像になるほど有名な野口英世の波乱の生涯は伝記などで知られています。

2歳の頃、野口は大やけどを負って左手の指が不自由になります。息子が農作業できないことを
思った母シカさんは、学問で身を立てさせることを決意し、やさしく励ましながら、貧しい生活の
中、苦労して英世を進学させていくのです。

息子の英世も人一倍の努力でそれにこたえ、日本が誇る世界的研究者はこうして
生まれたのでした。

              *                  *

息子の学資を支えた母シカさんは狭い土地で農作業、荷負い作業で働くほか、後年には
お産婆をつとめています。しかし法律ができ、産婆には資格が必要になりました。
無学問のシカさんでしたが必死になって字を読むことから始め、書き方を覚え、見事に
産婆の資格を得ているのです。アメリカの同僚が「野口はいつ眠るのか?」と
いぶかしんだという息子と、母シカさんの姿。

              *                  *

あなただったら、「富者」と聞いてどのような人を思い浮かべますか?


富者。それはもちろんお金持ちかもしれません。
それは人の役に立つ発明をした人物かもしれません。
それは大きな事業を興した人かもしれません。

しかし本当の富者とは、そのどれにもあてはまり、そのどれにもあてはまりません。
なぜなら自分が手にした富ではなく人にあたえた富こそが「富」であり、それをあたえた
人が本当の「富者」だからです。

もちろん、富者の中にはお金持ちもいれば、偉大な発明をした人もいるだろうし、大きな
事業を興した人もいるでしょう。

しかし富者は得られた富ではなく、人にあたえた富や幸福によって富者になるのですから、
あらゆる人にとって「自分にとっての富者」がいるはずなのです。

野口英世博士にとって富者とは母親のシカさんだったのです。野口はこの手紙を読んで
しばらくしたあと一時帰国します。そして老母シカさんを連れて旅をするのです。
帰国に騒ぐ周囲に目もくれず、母をいたわって歩く息子と老母のつつましいエピソードは
いつ読み直してもぼくは涙があふれてしまいます。

              *                  *

しかし残念ながら、だれもが野口英世のように富者との出会いに恵まれるわけではありません。